男たちの大和


この映画は発表当初より興味が有りましたので、公開初日に観に行って来ました。

やはり、戦後60年と言う節目の年に完成した映画だけに完成度はもちろんの事、我々戦後生まれの人間が、平和について再度考えさせられる内容に仕上がっています。

60年前にこの日本で起こった悲劇の事を、我々戦後生まれの人間は目の当たりにした事はないのですが、映画と言う媒体を介して映像で観ると、改めて60年前にこの日本で軍民合わせて300万人と言う途方もない数の犠牲の上に、今の平和な日本が有るのだと言う事を再認識する事が出来ました。

国と国との戦争に巻き込まれ、国や大切な人達をを守る為に戦い、そして散って行った当時の若者達・・

国と国との戦争において、一人一人の人間の死の意義が全く問われなかった時代の若者達・・

よく、戦争を題材とした番組で当時の日本人の狂気じみた特攻攻撃や、補給もままならない状況での正気とは思えない消耗戦等々・・当時の日本人の異常性をクローズアップしたものが多いのですが、当時の人々がおかれていた状況を考えると、異常の一言で片付けてしまうのはどうかと思います。

兵器でも物量でも敵わない相手が、日本に迫って来る・・

日本には愛する家族や大切な人々が暮らしている、自分が少しでも敵を減らす事が出来れば・・もしくは少しでも時間を稼ぐ事が出来れば・・愛する家族を守れるかもしれない・・

極限状態で決断を迫られ、考える時間も無いまま敵に戦いを挑んで散って行った当時の若者達・・

そのような極限状態に置かれていれば、自分でも異常な行動に走っていたかも知れません・・

そして、身を挺して大切な人を守ろうとしたにも関わらず、日本本土への無差別攻撃で大切な人を失ってしまった人達・・

命を懸けて戦ったにもかかわらず、大切な人を守る事が出来なかった当時の人達の無念さを思うと、映画を見ていて熱いものがこみ上げてきました。

60年前の日本人が身を挺して後世の我々に教えてくれた、戦いに敗れて学ぶ事、失敗に学ぶ事で変われる事、平和の尊さ、を胸にこれからも私は平和を願って生きて行こうと強く思いました。

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